「令和8年度診療報酬改定率全体として+2・22%」
厚生労働省は2025年12月24日に財務・厚生労働大臣折衝を踏まえて、2026年度診療報酬改定の改定率が決まったと発表した。診療報酬本体分が+3・09%、薬価等が▼0・87%となる。全体では+2・22%であった。本体分は2026年度2・41%、2027年度3・77%の2年度の平均となる。そのうち、医療に活用できる改定財源は+0・25%で、配分率は医科+0・28%、歯科+0・31%、調剤+0・08%となる。
本体分+3・09%の内訳は、賃上げ分が+1・70%(2026年度+1・23%、2027年度+2・18%)、物価対応分が+0・76%(2026年度+0・55%、2027年度+0・97%)、食費・光熱水費分+0・09%、経営悪化を踏まえた緊急対応分+0・44%、これらを除く改定分+0・25%、後発医薬品への置き換えの進展を踏まえた処方や調剤に係る評価の適正化、実態を踏まえた在宅医療・訪問看護関係の評価の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化等による効率化が▼0・15%となっている。
また、賃上げ分+1・70%のうち+0・28%は「特例的な対応」として措置する。2024年度改定でベースアップ評価料の対象から外された職種への対応を念頭に置いている。2024年度改定では入院基本料などで措置することとされた職種、具体的には40歳未満の勤務医、勤務歯科医、薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所などの従事者についてもベースアップ評価料のような形式で対応するとみられる。
今回の改定では2年度分の改定率が異なり、それらの平均値を示している他、「賃上げ分」「物価対応分」と説明が多岐にわたり、加えて関連事項として、以下を進めることも盛り込まれている。
①2027年度におけるさらなる調整と2028年度以降の経済・物価動向等への対応の検討
②賃上げの実効性確保のための対応
③医師偏在対策のための対応
④さらなる経営情報の見える化のための対応
社会保障に関する負担が大きくなり、医療費の削減が指摘される中で一定の財源を確保していただいたことは評価できる。
一方で本改定の基本的指針に重点課題として示されている物価や賃金、人手不足等の環境の変化への対応を進めるためには十分とは言い難く経営の安定化には不安が残る内容である。
国民の命と健康を守るために、さらなる負担増を強いることなく、限られた財源を最大限に活用して診療報酬改定に取り組んでいただきたい。
(常任理事 藤瀬 恭平)