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わたしたちの主張
令和5年8月15日
「感染経路を断つこと ワクチン接種をすること  ー感染症対策としてー」

生物は1つは細胞膜で包まれた個体である。2つ目は自分と同じものを作って増殖する。生物にはこの2つの条件が必須とされています。  ウイルスはこの条件を欠いています。ウイルスには細胞膜はありません。新型コロナウイルスの一番外側はエンベロープとよばれる脂質二重層で細胞膜とは異なるものです。こ のエンベロープの表面にスパイク蛋白が突き出ています。スパイク蛋白はウイルス粒子1個あたり90?100本あります。このスパイク蛋白が電子顕微鏡で見るとあたかも冠( コロナ)に見える事からコロナウイルスと名付けられました。  またウイルスの増殖は細胞の増殖とは異なっています。ウイルスは細胞で見られる、いろいろな材料の合成工場であるリボゾームを持っていません。ウイルスが持っているのは 、いろいろな材料を作るための設計図となる核酸だけです。ですからウイルスの増殖は、生きている細胞に入って、その細胞のリボゾーム上で自身の核酸にコードされているアミ ノ酸配列から蛋白を作らせ、自分と同じものを作らせることとなります。  新型のコロナウイルス感染は、ウイルス表面のスパイク蛋白がヒトの細胞表面の受容体に吸着し、そこからウイルス本体の核酸が細胞内に入ります。細胞内に入った核酸はリボ ゾーム上で核酸のコードから、蛋白を作らせ増殖し、その細胞を壊し、他の細胞にも拡がって、感染が成立することとなります。  新型コロナウイルスのワクチンは、このウイルスのスパイク蛋白をつくるアミノ配列のみがコードされたRNAです。病原性を持つ部分のコードされたRNAは除外されていま す。ワクチンが筋注されるとRNAはm?RNAとなりリボゾームに行き、リボゾーム上でウイルスのスパイク蛋白が作られます。  作られたスパイク蛋白はヒトの細胞では異物であり、免疫機構が働く事になります。リンパ球由来の樹状細胞で抗原提示されてB細胞やT細胞が活性化されます。B細胞で作ら れた、スパイク蛋白に対する抗体はウイルスのスパイク蛋白と結合し、ウイルスの細胞内への侵入を防ぎます。T細胞は感染した細胞表面にある「スパイク蛋白質」の小片を探し 出し、その細胞を破壊します。このようにワクチンは抗体での免疫にも細胞性免疫にも機能しています。ワクチンによる抗体価の上昇は、自然感染によるそれよりも高いと報告さ れています。  新型コロナウイルス感染症はエアロゾル感染とされ、不確定な状況の中で感染経路を断つ対策が実施されました。グローバルな感染症として水際作戦がとられましたが、我が国 への侵入は防げませんでした。2021年・2022年の冬のインフルエンザの流行は非常に減少しました。このことは、感染経路を断つ対策が有効だったためと考えられます。
 今後も新興感染症、再興感染症は出現するものと考えられます。私達は日常生活の中での感染経路を断つ対策を継続する事、ワクチン接種をする事が大切と思われます。

 この文章は、次の文献を参考にしました。 ①宮坂昌之著、『新型コロナワクチン本当の真実』講談社現代新書 ②長谷川政美著、『ウイルスとは何か 生物か無生物か、進化から捉える本当の姿』 中央公論新社刊 ③薬剤添付文書 コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS?CoV?2)コミナティRTU筋注第5版
(ペンネーム 新太郎)

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