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わたしたちの主張
令和元年12月15日
「働き方改革」を自分の将来につなげる
 私の親戚に、70歳を過ぎた今でも仕事を続けている叔父がいます。
工場での力仕事で、内容を聞けば叔父よりはいくらか若い私でもこなせるか自信が持てないようなハードなものでした。
 しかし、叔父は「とても充実していて、おかげでまだまだ健康でいられそうだ」と言います。やはり上の世代は鍛え方が違うな、と感心させられます。
 現在、国が推進している「働き方改革」。うちの職場でも休みを増やし、診療時間を短くしています。
 また、パワハラやセクハラを意識してスタッフにも気を遣いながら接していますし、勉強や技術訓練は勤務時間以外にこちらから求めることはしません。その分、スタッフは伸び伸びとプライベートの時間を楽しんでいるようです。心身ともに健全に過ごすことはとてもいいことだとは思います。
 しかし一方でじわじわと引き上げられつつある定年と広がる高齢者の就業機会。年金の受給にも不安が広がる中、今後は高齢者と呼ばれながらも自分の生活費は働いて確保しないといけなくなってくるでしょう。
 叔父は言います。「若い者がこういうきつい仕事を避けて楽な方法ばかり探そうとする。自分たちはそんな彼らに『ゆっくりしていたらわれわれのようなじじいに仕事を取られるぞ』とはっぱをかけてやるのが最後の役目」と。
 正直なところ、私自身も「働き方改革」をいいことに必要以上に気を緩めてさぼってしまうことがあるのですが、そういう日は必ず後に不安な気持ちが残ります。「このままゆっくり過ごしていて、75歳まで叔父のように働くだけの健康体と、体力・気力が維持できるだろうか…」
 働き方も休み方も多様になってきた時代に「24時間戦う」ような働き方は必要ないかもしれません。ですが、人間はいったんゆっくりしてしまうと、その後でそれ以上に厳しい環境に身を投じるのがおっくうになるものだと思います。
 これから先は年をくうごとに、悠々自適どころか厳しい生活を強いられることが予想されます。若い人たちには「働き方改革」で確保した自由時間の半分でもいいので、ぜひ自己投資・自己研鑽の時間にあてて、少しでも自身の「40年後の働き方」を充実したものにして欲しく思います。
     (もう老婆心)
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