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わたしたちの主張
平成25年11月15日

自然なるもの

 今年の夏は、暑い日が長く続きました。暑さの中で、秋の気配を感じる間もなく10月半ば、突然に涼しくなり、季節は巡りました。夏の猛暑で多くの方が熱中症に罹患し、また豪雨で発生した土石流がひどい被害をもたらしました。
 秋になって、台風26号は伊豆大島に甚大な被害を与えました。
 私たちは、自然の暴威を抑えることはできません。それどころか、自然を攻撃しています。高エネルギーを消費する現代の社会で、私たちは炭酸ガスを多く排出し、オゾン層を破壊し、地球の温暖化の原因を作っています。これは、自然への攻撃といえます。 天災を防ぐために、地球温暖化を防ぐ策を急ぐ必要があります。また防災科学の観点から自然をよく研究し、災害から逃れる対策を講じることが必要です。現在のところ、自然の暴威から身を守るには、避難することが一番確実な方法のようです。伊豆大島の2つの台風の二度目の豪雨の時は、早期の避難で災害を防ぐことができています。
 一方、美しい自然があります。私たちは、自然を眺め、向き合うことで心が癒され、また励まされもします。
 菜の花や 月は東に  日は西に
 江戸時代の与謝蕪村の俳句に自然の美しさ、穏やかさを感じ、心が和みます。自然の中で私たちの周りで、夜はあくまで暗く、何も見えない。一歩を踏み出すのが怖くなるほどです。今年の中秋の名月を見ることができました。自然から災害を受け、また一方では自然から癒され、励まされもする私たちは同時に、人と人との関わりの中に、最も喜びや楽しみを得る存在でもあります。論語の言葉で、現在、私の心に一番響くのは次の言葉です。
これを知る者は これを好む者に如かずこれを好む者は これを楽しむ者に如かず
この言葉が人生を過ごす中で、仕事の上でも遊ぶ時でも、理想とする姿を表わしていると思っています。
  (理事 古賀 俊六)

 

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