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わたしたちの主張
令和4年10月15日
「オンライン資格確認 原則義務化の方針撤回を求める」

8月10日の中央社会保障医療協議会(中医協)で医療機関にオンライン資格確認の体制整備を義務付けることが示され、9月5日、それに関する療養担当規則等の省令・告示の改定があった。これにより、来年4月からオンライン資格確認は原則義務化となり、厚生労働省は導入できない医療機関に対して、療養担当規則違反で指導対象にすると言及した。
 診療報酬上の評価としては、4月から導入された「電子的保険医療情報活用加算」7点、他の医療機関からの情報提供等の場合3点は廃止され、10月から「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を新設、施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合4点、オンライン資格確認等により情報を取得した場合2点となった。マイナンバーカードでの受診は、患者の一部負担金も増えることが疑問視されていたが、形を変え残ったままである。
 オンライン資格確認を開始した医療機関は、7月末現在で全体の3割弱、医科・歯科診療所では2割に満たないにもかかわらず、半年で義務化するのは無謀である。
 国は健康保険証と連動してマイナンバーカードの取得を促進しようとしているわけだが、発行を強制するような手法は到底受け入れられない。
 個人情報漏洩の心配、導入時・毎月のランニングコスト等の費用負担、高齢者などの操作上の対応、在宅医療はどうなるかなど、いくら考えてもデメリットしか思い浮かばない。保団連が8月に実施したオンライン資格確認システム導入原則義務化に関する緊急アンケートでも、全国の保険医協会・医会の会員の約8割は反対と回答している。オンライン資格確認のシステムについて、セキュリティ・情報漏洩への懸念が強く、また、窓口の事務負担増や設備投資やランニングコスト上の負担など費用負担への不満も強いという意見がアンケートでは寄せられた。
 国が患者も国民も望んでいないことを強引に推し進めるのは、甚だ疑問である。原則義務化の方針撤回を求めたい。


                                                                                (副会長 新井 良一)

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