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わたしたちの主張
平成30年8月15日
診療報酬改定運用時期の変更を
 今年は、診療報酬・介護報酬の同時改定が行われた。改定の都度、新設点数・項目に加え、削除される項目や点数表通知の変更などもあり、新しい算定ルールに則り患者側に医療を提供するのであるが、改定直後のこの時期はどうしてもカルテ記載に時間がかかってしまう。
 今次改定で、歯科においては、一連のマスコミ報道に端を発したかのように、院内感染対策推進として、基本診療料(歯科初診料・再診料)「初診料の注1」に係る施設基準が新設され、わずかではあるが増点になった。しかし、増点したものの、その増点分は感染対策費用としては程遠い評価であり、当然歯科診療所の経営改善にも及ばないのが現状である。
 歯科初・再診料以外の項目でも、施設基準を伴う点数や加算などの新設・引き上げと、基準を満たさない医療機関に対する点数引き下げという、医療機関を峻別する意図も顕著に表れている。今後より「医療機関の差別化」が進んでしまわないか心配である。
 昨今の改定をみても、改定ごとに施設基準の導入が増えており、改定内容も非常に複雑になってきている。改定を行っている厚労省も、改定後も疑義解釈の発出や通知等の訂正に追われており、いまだに継続して疑義解釈が発出されている。
 診療報酬改定は、改定前年の12月に改定率が決まり、1月に中医協で議論、2月に厚生労働省への答申が出され、3月初めに告示・通知等の発出と慌ただしく改定作業が進む。それに伴い、レセコンメーカーや出版関連事業も、右往左往するのが常である。このような混乱を軽減するには、3月に告示・通知等を発出したうえで、その運用を秋からスタートすることも対策のひとつと考えるが、いかがだろうか。
 (副会長 新井 良一)
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