HOME » 協会新聞 » 2024年9月号 わたしの主張

地球温暖化と異常気象を憂う

 2024年はまだ4か月も残っていますが、多くの天災や異常気象が発生していますから中間報告をしてみたいと思います。
 今年はいきなり元日にM7・6 の能登半島地震が発生しました。8月には宮崎県日向灘沖にM7を超える地震が起き、「南海トラフ巨大地震の前兆か」とマスコミも注意喚起に躍起になっていました。その後の全国地盤調査では、「関東関西中京など人口密集地に軟弱地盤がかなり存在している」 との調査結果が出ているようで心配は尽きません。
 さらに今年の夏は、日本各地で35度を超える記録的な猛暑日が連日観測されています。 近くの太宰府市では、猛暑日が40日間も続き時には39・8度の気温になったり、東北や北海道でもしばしば32度を超えるなど、今までの常識では考えられない真夏日が続出しています。 この亜熱帯化の原因として、世界全体からみても顕著な日本近海に出現している海面水温の上昇(海洋熱波)や偏西風が大きく蛇行して北海道の北端辺りまで北上している事が指摘されています。
 8月末には930hpaの巨大台風10号が発生して、 九州西岸沿いに北上し、天草付近に上陸するも迷走しました。徳島付近に停滞し居座っているのに遠く離れた岩手、東京、静岡、 愛知などに線状降水帯が発生し甚大な被害をもたらしたのも、海面水温が30度前後もあるため、海面からの蒸発による上昇気流が絶え間なく供給されて、積乱雲や線状降水帯を形成しては主に太平洋沿岸に大雨洪水を起こしているとのこと。
 この異常熟波のため、熱中症患者が急増しています。 高齢者のみならず炎天下で働く方などで救急搬送される例が多発しているようです。 学校のプールでの水泳を中止して民間の水泳教室の屋内プールで専門の水泳指導者に依頼した学校がかなり増えているとか、北海道の酪農業者が、熱中症で乳牛が複数死亡したため急きょ、牛舎にクーラーやミストシャワーを設置したとの由。
 この様な地球温暖化と異常気象の発現には、われわれ人類の責任が多いにあるのではないでしょうか。
  (顧問 野田 芳隆)

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