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わたしたちの主張
平成28年1月15日

社会保障の充実は可能だ

 皆さま明けましておめでとうございます。

 今年度は診療報酬改定の年度であります。わずかでも改善を期待したいものでありますが、しかしそれはとてもとても不可能な夢物語でありましょう。医療経営状況の実態把握調査においてその悪化が明らかに認められているにもかかわらず、財務省の意向が強力に作用する作業でありますから、プライマリーバランスの正常化を最重要課題に掲げる財務省に厚生労働省が切り込めないでいるのであります。患者さんのためにそして地域住民のために、もちろんわれわれ医療従事者のために大きな声を上げていきましょう。

 消費税増税は社会保障のためにと公約していたにもかかわらず、充実どころかますますの患者負担増加を強要するばかりの医療介護関連法案がめじろ押しであります。国民皆保険とは名ばかりの、命の沙汰も金次第という恐ろしい社会が現実となる日が近付いてきているようであります。確かに増大し続ける医療・介護費用をいかに抑制するのかは今後生産年齢人口が減少し、高齢化率が35パーセントにならんとする日本においては、大変重要な問題であります。

 医療・介護改善の財源をどこに求めるのかがいつも問われる大きな問題でありますが、莫大な内部留保を抱える大企業の優遇税制の見直し。非正規労働者を正規雇用し保険料収入の増加を見込む。高額所得者の累進課税を見直す。保険料徴収の上限撤廃を行う。できれば莫大な内部留保に課税する。つまり、税金納入の応能負担原則を徹底することによって、消費税増税に頼らずとも社会保障の充実が実現可能であることは、多くの経済学者によって計算されているのであります。自民公明の議員の皆さま、経済界ばかりに目を向けず、国民を向いた国民のための政治を行ってください。

 さて保険医協会の会員の皆さま方には日頃の協会への多大なご協力に心から感謝をいたします。これからも役員一同全力で頑張ってまいりますので、ますますのご協力をよろしくお願いいたします。

 皆さま良い一年をお過ごしください。

(会長 藤戸 好典)

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