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わたしたちの主張
平成30年6月15日
これからの佐賀県のために若者と税金の県外流出を防げ
~教育にお金を使うべき~

 先日、他県の同業(歯科医師)の先生に人材確保の難しさについて相談したところ、「自分の周りにも同じような悩みを抱えている先生がいる。人手不足のため、医院規模を縮小して対応されている」と教えてもらいました。
 信用調査会社の帝国データバンクが最近行った、全国の企業の人手不足に関する調査によると、九州・沖縄の52・8%の企業が「正社員が不足している」と回答し、過去最高を更新したそうです。県別でみると、佐賀県は59・6%で全国4位の高水準となっています。
 佐賀県内の雇用情勢としては、新規求職者数は年間を通じて減少傾向となっている一方、新規求人数は人手不足の建設業、卸売業、小売業、医療・福祉業を中心に増加傾向で推移しています。これは、新規高卒者の県外就職が4割にのぼることが大きな要因の一つとなっています。また、高校卒業後進学した人も、卒業後は佐賀県外の都道府県での就職率が高く、人口流出が深刻化しています。佐賀県は、長い間「人材の輩出・供給拠点」となってきました。その背景には若者の根強い県外流出傾向などの構造要因が挙げられます。今後、ますますの少子高齢化の流れを受け、県内の労働者不足の深刻化が懸念されます。もちろん、労働者が減ると、税収も減少します。県や市といった行政あるいは民間が手を組んで、若者の他県への流出を阻止する必要があると強く感じます。
 歯科業界でいえば、歯科衛生士不足が深刻化しつつあります。歯科衛生士学校養成所の指定規則が一部改正され、平成22年4月1日までにすべての養成機関が3年制以上になったことに加え、少子化ということで、進学を希望する人が減っています。日本学生支援機構の奨学金(旧育英会奨学金)制度では、毎月決まった額が支給されますが、進学時に一番お金がかかるのは入学金と前期の授業料をまとめて支払う3月・4月だと思います。このまとまったお金を用意できないから、進学を諦めざるを得ない子もいると思います。
 だから、この時期に県や市といった行政あるいは民間からまとまったお金(500 100万円くらい?)を佐賀県内の学生に融資し、以降の学費は、奨学金やアルバイトで賄うというふうにすれば、進学する子も増えるのではないかと思います。そして、入学時に融資したお金は、卒業後、佐賀県内で5年以上働き佐賀県内に納税すれば返済義務を免除するようにします。そうすれば、佐賀県内で働く若者も増えるのではないでしょうか。当然、税収も安定的に確保できるでしょう。
 このような制度を行政で作っていただくことは喫緊の課題であると思います。急いで手を打たないと、高齢化が進む中、安定した医療サービスの提供が行えなくなるのではないかと危惧しています。
  (理事 橋村 隆)

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