HOME » 協会新聞 » 20180115 明るい未来が描ける日本へ

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わたしたちの主張
平成30年1月15日
明るい未来が描ける日本を

皆さまが素晴らしい新年を迎えられましたことを心よりお慶びを申し上げます。
平成30年を迎えることになりました。平成31年5月からは平成から何に改元されるのでありましょうか。
さて今年は診療報酬・介護報酬の同時改定が行われ、さらには国保運営の主体が市町村から都道府県に移管される年であります。「税と社会保障の一体改革」の名の下で、すでに診療報酬は10パーセントもの削減が行われ、日本の医療は崩壊寸前であります。医師・看護師・介護職員等の長時間労働と低賃金の上にかろうじて成り立っているこの日本の医療・介護制度はさらなる社会保障費の削減が行われるなら、本当に国民に安心安全の医療・介護を提供できなくなるのではないでしょうか。
厚生労働省・日本医師会・財務省・三竦みの交渉において本体を0・55%引き上げる一方(医科+0・65%、歯科+0・69%)、薬価等の引き下げにより全体では1・19%のマイナス改定で決着したようであります。財務省は「財源がない」と一言で済ませていますが、大企業に多くの優遇税制を認め減税しておきながら、400兆円以上もの莫大に溜め込んだ内部留保にはまったく触れないでいるのはどうしてなのでしょうか。
さて国保の運営が都道府県に移管されることにおいて、国保の赤字分を一般会計から補填することが厳しく制限されることになり、多くの市町村で国保料の増大が予測されています。今でも高すぎて支払いに難渋している住民がかなりの割合で存在していますが、さらなる無保険者のさらなる増加、短期証・資格証明証者の増大によって受診がますます抑制され、病態の悪化が深刻になる患者が増大することが危惧されます。地域住民の健康管理の大きな一翼を担うわれわれ医療従事者はこの国保問題に積極的にかかわっていく必要があります。さらには特に若者の非正規労働者が50%を超えるという異常事態は今後の日本社会の存続に関する重大な問題であります。経済成長は遠ざかり、少子化に歯止めがかからず、社会保障負担を誰が担うことになるのかなどなど、明るい日本が見えてきません。政治家の皆さん、日本の明るい未来を期待できる政策を打ち出していただきたいと思います。
新しい1年を迎えました。これからも佐賀県保険医協会の活動に皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

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