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わたしたちの主張
令和元年7月15日
参議院選挙に原発廃止を託そう
 東日本大震災、福島第一原子力発電所事故から8年がたちましたが、まだ放射能が高くて地元に帰れない多くの人がいます。一方で2020年の東京オリンピック騒ぎで、福島第一原子力発電所事故が風化しそうな傾向があります。
 しかも原発の再稼働は原子力規制委員会の許可を得て順次進んでいます。
 東日本大震災という大自然災害であったから、大津波があったから起きた原発事故であって、予測不可能な事故であったと言って、人為事故(原発を作らなければ起きなかった事故)にもかかわらず、誰も責任を取らないままで、風化しようとしています。
 スリーマイル島原子力発電所事故といい、チェルノブイリ原子力発電所事故といい、予測できなかった大地震のせいではありません。まして日本は地震国であり、火山国です。活断層もたくさんあります。東日本大震災の後も熊本で、大阪で、北海道でと震度6以上の地震が起きています。
 また別の見地から見てみますと放射能汚染の問題があります。たまたま福島だったから放射能のチリ(いわゆる死の灰)は偏西風によって、その9割が太平洋上に向かい、日本の陸地には1割しか落ちていないと考えられています。しかし玄海原発が事故を起こすと、その放射能のチリは偏西風に乗って、日本国中に降りそそぎます。
 たまたま広島で、往診に出ていたその日に原爆投下されたため直接死ぬことはなく、内部被爆の恐ろしさを訴え続けていた肥田舜太郎氏の遺言があります。
 今回の福島原発の放射能はチェノルブイリ事故の7分の1に過ぎないと言いますが、セシウムの量でいうと広島への原子爆弾投下の168倍とされています。
 また福島原発事故の収束にかかる費用のことを考えると、桁違い(19兆円、またはそれ以上)に大きく、決してクリーンで安い電力とは言えません。
 原発は核燃料を燃やした蒸気でタービンを回すために多くの配管が必要な設備ですが、原発の配管工のほとんどが素人集団であり、継ぎ目の溶接などに不備が多く危険この上ないと現場からの告発もあります。
 また、たまり続ける使用済み核燃料をどう処理するかは未定のままです。
 全ての原発を止めても電気は不足しなかったことを考えても、原発は早く廃止の方に持って行きたいものです。
 そして今回の参議院議員選挙はその第一歩ではないでしょうか。子供たちの将来のためにも。
 (常任理事 山口 宏和)
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