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わたしたちの主張
平成29年11月15日
あおり運転を考える

 2017年6月、神奈川県の東名高速にてあおり運転による死亡事故が起きました。加害者が逮捕されて以降は、連日事故の詳細やあおり運転の摘発等が頻繁に報道されるようになり「あおり運転」が大きな社会問題となりました。
 この事故は、あおり運転の末に被害者の車を停止させ、そこに後続のトラックが追突するという痛ましいものでした。加害者への逮捕状は「過失運転致死傷罪」(7年以下の懲役または禁固もしくは100万円以下の罰金)となっていました。高速道路の追い越し車線上で自動車を止めさせた行為を過失としてみたもののようですが、専門家からはこの加害者の行為は高確率で死傷事故につながると考えられ、過失運転致死傷罪ではあまりにも軽く殺人罪として扱うべきだという声も散見できます。
 横浜地検は、より罰則の重い危険運転致死傷罪と暴行罪で起訴しました。今後、裁判員が加わる裁判で審理されるとのことです。事故現場にいた遺族姉妹の心中を思いやると、多くの人が割り切れない感情を抱くのではないでしょうか。
 一方で、「あおり運転」が近年横行しているため、取り締まりも強化しているようです。昨年、前方の車との距離を極端に詰めてあおるなどして道交法違反(車間距離不保持)で摘発された件数は九州7県で計1008件にのぼりました。一番多かった県は福岡県で911件、佐賀県は50件で、2位でした。私はこれまで執拗にあおられた経験がないためか、佐賀が2位というのは意外な気がしますが、皆さまはいかがでしょうか。
 以前に、「狭い日本 そんなに急いで どこへ行く」という言葉が流行しましたが、あおり運転被害にあったら、そんなのんきなことも言ってはいられません。自動車の運転状況を録画できるドライブレコーダーの需要が急増しているとのことで、抑止力としての効果も期待されます。あおり運転等の迷惑運転は違反検挙が難しいとも言われますがこの事故を教訓に、善後策が講じられることを望みます。
  (理事 辻 京子)

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