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わたしたちの主張
令和5年11月15日
「マイナンバーカードを用いた保険診療について再考する」

 マイナンバーカードを用いた保険診療は、2023年4月から全国で本格的に導入され、現在に至るまで多くの問題点が指摘されています。2023年10月からは6カ月間の経過措置期間が終了して、現在では特別な事情がない限り、マイナンバーカードでの受け付けを患者さんが望めば、医療機関はその求めに応じなければなりません。療養担当規則上は、そのことができない場合保険医療機関の指定を取り消すことが可能になりました。これによって多くの医療機関が窮地に立たされると考えられ、この事がきっかけで閉院を考える医療機関は少なくないといわれています。
 マイナンバーカードの話題は政府にとっては都合の悪い話です。この話題には触れないで、矢継ぎ早にいろいろな政策を打ち出して、国民の関心を他の事に向けさせ支持を得ようとしています。これは私から見れば、マイナンバーカードの問題を隠そうとしているとしか思えません。実際には10月になっても、大きな動きはないようですが、これも「今動くのは得策ではない」との判断があるのかと考えてしまいます。
 マスコミも一時は毎日のようにマイナンバーカードの事を取り上げていましたが、最近は報道されることが少なくなってきたように感じます。
 しかしながら忘れてならないのは、来年秋の保険証の廃止の方針には変わりない事です。
 私自身は、診療情報を全国で共有できるプラットホーム作りには大賛成です。それによって無駄に検査が重複しなくなれば、それは医療費を省き、患者さんの負担、医療機関の負担を軽減できるとても良い事だと思うのです。しかしその機能をマイナンバーカードを用いて行うには、余りにもそのシステムが脆弱過ぎると感じています。例えば現在、マイナンバーカードを読み取る機器は、診療所には1台しか支給されていません。来年秋以降、保険証が廃止され、この読み取り機器が故障すれば、診療がストップしてしまいます。まずは予備の機器を支給してほしいものです。
 私たちはこの問題に惑わされることなく、これからも注視していく必要があると思います。

  (理事 今村 洋一)

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