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わたしたちの主張
平成30年10月15日
日本の歩むべき道
 通常の原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマルで、原発を持つ電力会社10社は、一度使ったMOX燃料を再処理して再び燃料として利用するための費用の計上を2016年度以降中止している。再処理には新たな再処理工場の建設が必要で、巨額の費用がかかることが理由とのこと。核燃料サイクルが崩壊することとなる。政府と電力会社は国内外に保有する余剰プルトニウム削減のため、今後も順次プルサーマルの原発を増やしたい考えであるが、事実上のMOX燃料の再処理断念と報道された。
 現在、プルサーマルは関西電力高浜原発、四国電力伊方原発、九州電力玄海原発で実施中である。MOX燃料は再処理されなければ、全て廃棄物となる。使用済みMOX燃料の保存や処分もどうなるのか不安である。原発の通常の廃炉においても、莫大な費用と多くの年月が必要なことは報道されている。東日本大震災をきっかけに、原発の必要性も議論されているが、原発推進論者のうそが見抜けないでいる。
 先日、小泉純一郎元首相の講演会に参加したが、小泉氏は「在任中、原発は安全でコストが安く、クリーンだという経済産業省の話を信じてしまった」と悔やみながら、「原発推進の大義名分は全部うそ」と言い切った。日本の学者でも東日本大震災の前から原発の危険性を訴えていた人がいた。そういう人たちに敬意を表しながら、総理時代に原発推進していた小泉氏が、過ちを改めると反省して原自連で活動されている。首相を経験した小泉氏だからこそ、反原発の先頭に立ってがんばられる意味があると思う。
 最近では、台風や地震も想定外の災害をもたらしている。原発事故を2度と起こさないためには、原発を止めるしか方法はない。
 東日本大震災で原発が全て止まっても、必要な電力は他で賄うことが可能なことは証明されている。日本の歩むべき道は、原発ゼロ・自然エネルギー推進であってほしい。
    (プルサーバツ)
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