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わたしたちの主張
平成31年2月15日
働き方改革
 働き方改革関連法案、正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」または「働き方改革」一括法案は自院のような弱小零細のクリニックにはまだまだ関係ない、2020年4月からでしょと高をくくっていたら、然にあらず。調べてみると大企業、中小企業の区別なく全企業で2019年4月から実施適用される法案もあった。
 その中で中小企業が特に優先的に対応すべきと思われる事項が、5日間の「有給休暇取得」の義務化である。自院の従業員の有給休暇の取得状況はどうかと改めて考えてみると、取っている人は取っているが、取っていない人はほとんど取っていないというのが実情だ。
 厚労省による平成29年度就労条件総合調査の概況によると、有給休暇の労働者一人平均取得日数は9・0日であり、医療・福祉業における労働者一人平均取得日数は8・8日であった。しかし、この統計調査の対象となっているのは労働者30人以上の企業規模であり、それより少ない事業所は対象に含まれていない。
 自院もそうだが、小規模の個人事業所では「私が休むと仕事が回らず、みんなに迷惑を掛ける」とか「この仕事は私の担当だから」という責任感や雇用側からのプレッシャーにより、有給休暇の取得が事実上困難になっていると思われるケースが多いらしい。従って労働者30人未満の事業所では、厚労省の統計調査結果の中小企業よりもさらに有給休暇の取得が進んでいない可能性が高いと推測されている。
 そもそも働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能にすると共に、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいくものなのだそうだ。働き方改革が議論されるに至ったきっかけは、日本の総人口が減少している、29歳以下が減少し60歳以上が増加している、労働人口(20歳0 60歳)が減少していることが強く影響を及ぼしているそうだ。
 つまり、これからを支える年代の人口が減少しているから、政府は、働き手を増やさねば、出生率を上げて将来の働き手を増やさねばと考えて政策を進めているのだろう。
 医療・介護福祉業界では人材不足が叫ばれて久しい。復職支援事業をはじめさまざまな対策事業が展開されているが、職員が充足していると感じている事業所は少数ではないだろうか。かといって私たち雇用する側も国の施策はあまり当てにせず、己の身は己で守る対策を講じるべきだと思うに至った今日この頃である。
    (ふうけんばす)
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