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わたしたちの主張
令和4年6月15日
「4回目のワクチン接種」
 新型コロナ感染症が確認されてからすでに2年6カ月が経過しました。 これほどの速さと規模で世界中を感染の渦に巻き込むとは誰もが想像し得なかったのではないでしょうか。 重症化率が10%近く、 また死亡率も1%強という統計に、誰しもが感染の恐ろしさを感じ取ったことと思います。 マスク、 手洗い、うがい、三密の回避などを始め、 日常生活や就労状況に大きな変化を来しました。 
 ワクチン製造にはどんなに速くとも数年はかかるであろうと私は思っていましたが、 科学技術の進歩、 人類の英知は実にすばらしいものでありました。 わずか半年間で新型コロナウイルスに対してのワクチン製造に成功し、 世界中でワクチンの使用が開始されました。 日本は残念ながらワクチン接種開始時期に出遅れてしまいましたが、 現在では2回接種終了者は対象の80%をかなり超えています。 
 ところがワクチン接種率はこの2回目以降はかなり伸び悩んでいます。 3回目接種を終了した人は、対象者の50%をわずかに超えたところで足踏み状態であります。 なぜ3回目接種がなかなか進まないのでありましょうか。 
 ワクチン接種に来られた人たちから聞き漏れてくる話として、 2回目の時の副反応が1回目に比べてきつかったこと、 3回接種しなくても2回接種していれば重症化はほとんどない、 高齢者でなければ2回で十分効果がみられる、などの意見でありました。 確かに高齢者の3回目接種はかなり進んでいますが、その他の接種対象者は3回目接種にかなり抵抗感が強いようであります。 そしてまた、オミクロン株に変異してからの重症化率も死亡率も激減していることが、3回目ワクチン接種をためらう人たちの都合の良いデータとなっているようであります。 
 さて60歳以上の方全てと15歳から59歳の方で基礎疾患を有する方、または重症化リスクが高いと医師が認める方が対象でありますが、4回目のワクチン接種が開始されました。 ワクチン接種で可能な限り重症化を防ぎ、また1人でも多くの命を救うことはわれわれ医療従事者としての使命ではないでしょうか。 
 副反応というデメリットばかりに目を向けた報道には、大変に違和感を禁じ得ません。 どれだけの大きなメリットがあるのかを正しく報道していただきたいと思います。 ワクチン接種の大切さをみなさんにお知らせしながら、日常診療を行っている毎日であります。 
 一刻も早い感染の収束と日常生活が戻ることを心から祈願いたします。
  (会長 藤戸 好典)
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