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わたしたちの主張
平成26年10月15日

医師と歯科医師

 歯科医師は医師ではないのか?医師は歯を抜いても、歯の型を採っても歯科医師法違反にはならないが、歯科医師は歯とその口腔周辺以外の部分を触ると違反になると医師法で定められている。つまり、医師は歯科医師を兼ねる事もできるが、歯科医師は医師の免許がない限り他の領域を診る事ができない。医師と歯科医師は明らかに差をつけられ、歯科医師は医師を超える事はできない。

 大学の授業年数も医学部と同じ6年。大学では全身に対するしっかりした教育も受けている。さて医師は歯の事をどれくらいご存じであろうか?

 すべての健康はよく噛むことから始まると言われるが、口腔機能の大切さを軽く見られる傾向がある。

 歯科医師は診療の領域が歯科医師法で限られており、それ以上の事はできない。仕事中の患者急変時の気管挿入、あるいは気管切開も単独ではできないようである。ここ最近では、札幌医大で起きた歯科医師の処置が医師法違反に問われた裁判の判決が最高裁で確定した。

 国は歯科医療を軽視しているようだ。医師と歯科医師との所得格差は2倍以上となっている。なぜに医療という分野において対等であるべき診療報酬に差をつけ、歯科医療費を低くしているのか。日本においては医師と歯科医師はこんなに違わなければならないのか。数年前の新型インフルエンザに対するワクチン予防接種においても歯科医師は蚊帳の外であった。

 口腔の健康は身体の健康を保つためには一番大切な事で、全身との関わりもかなり研究されて解明されてきている。

 今年4月の診療報酬改定で、訪問診療の同一建物で複数患者を診療したときの診療報酬が医科も歯科も下げられた。医科の診療所は経営の打撃を受け、施設への訪問診療を撤退や縮小することを余儀なくされた。しかし、施設への訪問診療を撤退する歯科診療所は、聞かない。もともと歯科の訪問診療は低報酬であるからだ。ただ、一人を診療した診療報酬の出来高よりも、二人を診療した診療報酬の出来高の方が低いことは論外である。早急な改善を望む。在宅における歯科訪問診療の重要性は今後さらに高まることが予想される。食べることなくして、在宅や施設での療養はかなわない。口から食べることは、人間の営みで重要な行為であり、十分な咀嚼で栄養摂取ができ、免疫力を高め、低栄養や易感染等の予防になり、基礎疾患の重篤化を防ぐことができる。

 歯科医師の評価を上げるためには、医師、歯科医師の団体としてわれわれは国民から本当に尊敬され、口腔疾患に大きな関心を持たれるようにもっと努力しなければならないと思う。もっと医科歯科連携による医療をアピールしようではないか。

 (悔歯科)

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