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わたしたちの主張
平成27年10月15日

安保法案で思う事

 5月に開かれた九州ブロック会議で私が「基本的にオスプレイの佐賀配備に賛成です。誰でもオスプレイを歓迎する人はいないでしょう。日本の国防に本当に必要であるなら、地域環境的に佐賀空港付近に勝る場所はないでしょう…」と発言すると、司会者から「勇気ある発言です…」との言葉があったが結局、深まった議論にはならなかった。今回は辺野古基地建設反対の決議の議論の中での発言だったが、九州ブロック会議では時間の制約もあり、多様な意見を十分に議論して決議する場としてはふさわしくない。

 私は前々から保険医協会は政府に「何でも反対」ではなく対案を出す必要があると感じている。古くは後期高齢者医療制度反対から原発再稼働反対、消費税増税反対、特定秘密法案反対、マイナンバー制度反対、安保法案反対…反対のオンパレード。反対するなら説得力のある論点を明確にした対案を出さなければ、その反対に何の価値もない。「戦争はいけない、話し合いで解決を」聞こえはよく、それができるなら賛成だ。しかし、北方領土の解決はなく、尖閣諸島で中国船の領海侵入は続き、竹島も実効支配されたままだ。国と国の関係は、残念ながら話し合いではなかなかこちらの主張は通らない。

 今回の安保法案でも同じ日本の国の中でさえも話し合いはつかず、最後の委員会決議の場面では野党議員が委員長席に押しかけ、押すな押すなの暴力沙汰の珍場面、国と国の話し合いの困難さを自ら証明、露呈しているように思えてならなかった。「強行採決!強行採決!」しかし、これも国民が選んだ議員の考えで決定される民主主義の本質で仕方がない。最後は多数決なのだ。許せないなら次回の選挙で自民党を下野させるしかない。そのような勇気が国民にあるなら大いに歓迎する。

 冷戦の崩壊以後、国際情勢は激変した。北朝鮮は核を開発したし、中国は南シナ海、尖閣諸島周辺で領土拡張の姿勢、ペルシャ湾周辺の紛争、イスラム国などの国際テロ等を考えると日本だけで国を守る時代は限界にきたと思える。

 日本を取り巻く環境が大きく変化した以上、それに応じた法改正は国民の生命と安全を守るために必要であると考えている。「安保法案賛成!戦争反対!」の意見もあっていいかと思う。

(副会長 佐藤 直人)

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