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わたしたちの主張
令和2年9月15日
指導のあり方の検討を
 今年はコロナ禍の中、令和2年度診療報酬改定が行われた。国(厚生労働省)が行う診療報酬改定説明会も対面では開催されず、各県の改定説明会も中止となった。4月からは新ルールにのっとった診療が開始されたが、すでに間違った請求も出ているようだ。
 個別指導に関しても、全国的に計画通りには行われていないのが現状である。7月2日、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室は事務連絡「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言解除に伴う指導・監査等の取扱いについて」の中で、地方厚生局へ集団的個別指導の中止を通達した。個別指導については、「実施する」とあるが、コロナが収束したとは言い難い状況の下、感染対策を講じたとしても対面で行う個別指導は中止すべきではないか。
 今年度の集団的個別指導の中止により、2022年度の高点数選定での個別指導は実施できないものと思われる。現在の指導大綱は1996年に新指導大綱として発足。平均点数が上位8%の医療機関が集団的個別指導に選定され、翌年もなお高点数であれば、上位4%が個別指導に選定されることになっている。
 しかし、高点数選定での個別指導件数(その年の個別指導件数のうち、高点数を理由としたものの割合)は全国的にも温度差があり、この選定方法についても疑問の声が多い。厚生労働省は新選定指標について医科・歯科・調剤の調査を終えたが、これをどのように活用するのか注視が必要である。
 個別指導は「保険診療の取扱い、診療報酬請求等に関する事項について周知徹底させること」とされているが、持参物も多く、監査に等しい状況で行われている。指導と監査は切り離し、個別指導は必要最小限度の持参物で、教育的指導を行うよう改めていただきたい。厚生労働省は、新型コロナ対策に全力を挙げるとともに、今後の集団的個別指導のあり方についても改めて検討すべきである。
 (副会長 新井 良一)
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