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わたしたちの主張
令和6年2月15日
「世界に冠たる日本の医療保険制度を維持するには」

 日本の医療保険制度がいかに素晴らしいものであるかは、世界から称賛される事であり特に海外で治療を受けた経験がある諸氏は全員、日本の医療保険制度のありがたさに改めて気付くと語られる。
 よく対比される米国の公的医療保険制度は、高齢者・障害者・低所得者を対象としたものに限られていて、これらの加入条件に該当しない場合は民間医療保険への加入を検討する必要がある。医療費の高額な支払いが原因の自己破産が、深刻な社会問題となっている。クリニックは完全予約制で初診料が(1ドル140円として)日本円に換算して2万1000円~4万2000円、虫垂炎オペは約140万円(1日入院)、心筋梗塞で13日間入院し治療費約1942万円。友人の車に乗車中事故に遭い、右手骨折しオペした後5日間入院し約230万円の支払い、一般的に入院室料は1日28万円~42万円、救急搬送(救命士同乗で1回18万円+搬送料1200円/1㎞)など枚挙にいとまがない。
 それにしてもわが国の医療保険制度は皆保険制度で保険料も格安で、診察料も治療費も薬価も医師に払われる技術料も保険点数で見ると分かるように驚きの安さである。しかしながら近年、制度の経年経過によるほころびや問題点が多く指摘されてきている。
 保険資格認証に関して保険情報の誤りや不正使用が2003年度に年間600万件に上り(2003年度厚生労働省科研成果データベース)、20年経った2023年度の数字は公になっていないが膨大な件数になっているため、厚労省も個人識別の徹底により保険情報の誤りや不正使用を減らそうと、顔写真付きのマイナンバー保険証発行を急いだようである。
 特に外国人移住者が増えてきて個人識別のない今の保険証を使い回している事例が多くみられるとの事。小生の診療所にも中国人、ネパール人、インド人などが月に10人程来院している。近くの工場だけでも200人程の外国人社員がいるが、カタカナ表記で写真もない保険証だけの受診なので、性が同じで年齢が近ければ疑う術がない。 日本人でも、都会であれば田舎と違って個人識別の術がないので、性善説になってしまう。
 昔、友人の株主優待券を時々借りては乗り物や食事を2割~5割引きで使いまわしてバレなかったと変な武勇伝を吹聴していた人がいたが、保険証が株主優待券の二の舞になることは阻止しなければならない。
 一方、保険証を全廃すれば医療現場は混乱する事が危惧される。高齢者や障害者などの医療弱者への配慮のために、現在の保険証の併用を3年位は認めていくべきだと申したい。

  (顧問 野田 芳隆)

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