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わたしたちの主張
令和4年4月15日
「自己防衛は大切」
 第94回米アカデミー賞授賞式で、日本作品が13年ぶりに国際長編映画賞を受賞した。コロナ禍で打撃を受けた映画産業には、活気が出そうな明るいニュースとなった。

 一方で、今年のアカデミー賞では後味の悪いニュースが大きな話題となった。プレゼンターの男性に自身の妻の髪型をやゆされ、激怒した大物俳優が壇上に登りそのプレゼンターを平手打ちした。やゆされた俳優の妻は、脱毛症という病気ゆえの短髪ヘアとのことであった。プレゼンターの口撃に腕力で報復した俳優を非難する声や、病気の妻を思っての愛ある行動だと称賛する声など、さまざまな意見がワイドショーやインターネット上で飛び交っている。
 このアカデミー賞での騒動は誰が言った、誰が殴ったというのが明白で、双方が加害者であり被害者だと思われる。しかしながら、昨今問題となっているインターネット上の悪質な書き込みや誹謗中傷においては、加害者は姿を現さず執拗に悪意に満ちた言葉を重ね、被害者は一方的に言葉の暴力に晒されることが多い。腕力による身体的な暴力だけでなく、言葉による暴力から受ける傷も心身ともに大きいはずだ。SNSでの誹謗中傷やいじめが要因と思われる旭川凍死事件は記憶に新しい。そのような状況の中、2019年に起きた池袋暴走事故で妻子を亡くした遺族をSNSで誹謗中傷した男性が警視庁の捜査で特定され、任意で事情聴取されたという。今後、悪質な書き込み等に対する抑止力となることを期待したい。
 私個人はSNSやブログといったものをほとんどやらないため、自分のクリニックにどのような書き込み、口コミがなされているか知らない。知らないというよりは、ネガティブコメントが書き込まれていたら嫌なので、見ようとしないという方が正しいだろう。見ないから気にしなくてもいいのだが、身に覚えのない不当な評価や悪意のある口コミが書かれていたらそれは釈然としないので、もしそういう事態になったらと思い「ネガティブな口コミを削除します!」などとうたったFAXはつい読んでしまう。すぐに導入するつもりはないが、自己防衛の手段としていろいろな対処法を知っておく必要を感じている。
(アナログだもの)

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