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わたしたちの主張
令和4年11月15日
「ウクライナ問題に思う」

ロシアのウクライナ侵攻に関してメディアはロシアの一方的領土拡張欲による侵略という扱いで報道しています。そこで少し調べたところかなり古い時代からある国境紛争だということが分かってきました。ウクライナは歴史的に周囲の国々に侵略され衰退・勃興を繰り返してきた国でした。例えばポーランドにドイツに、そしてロシアにです。
 ゼレンスキー大統領の国民への呼びかけの中に「私たちは敗れることはない。なぜならわれわれはコサックの一族だからだ」というものがありました。ではコサックとは何かを調べたところウクライナおよび南ロシアで勢力を広げていた半農半漁武装集団でした。日露戦争でもコサック騎兵団と秋山好古率いる騎兵団が刃を交えます。
 コサックは6つに分類され、何者にも支配されることを嫌うことから「自由の民」とも呼ばれていたようです。かつてのオスマン帝国もナポレオンもコサック集団にはかないませんでした。6つのコサック集団の中のザポリージャコサックが今のウクライナの国歌にも歌われるコサックのようです。かつてポーランドの支配下にあったコサックたちがロシアに援助を求めポーランドの支配から逃れた後、今度はロシアの支配下に置かれます。その時に多数のロシア人が現在侵略されている4州に移住したそうです。なので親ロシア派というのは間違いでロシア系住民というべきですが、政治的意図か勉強不足か分かりませんがマスコミはそうは呼びません。
 ロシアの非人道的行為は決して許されるべきものではありませんが、では今ロシアを批判している国々が非人道的行為をしたことがないかといえば日本を含め、ないと思っています。それが戦争というものだからです。欧米がウクライナを利用してロシアの国力を衰退させていると思うと、コサックが利用されてきた歴史がまた目の前で起こっていることに悲しみを感じざるを得ません。国境紛争を侵略戦争と報じ、自分たちのことは棚に上げ非人道的行為を非難し、コサックを利用しロシアを衰退させている姿を正しく報じない。マスコミはなぜ正しく報じないのでしょうか。
 私もこの項を書き始める前まではロシア批判を書くつもりでしたが、調べていくといろいろな矛盾に気が付き戸惑ってしまいました。いろいろ考えた末に今の自分の気持ちを素直に書くことにしました。ちなみに調べたのはウィキペディアからウクライナの歴史とコサックの歴史だけです。皆さまはどう思われますでしょうか。おそらく多くの皆さまの共通の想いは一刻も早く、この戦争が核兵器を使うことなく、終わりを迎えることだろうと思います。平和を願って筆を置きます。
(常任理事 猪口 寛)

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