「高額療養費制度の見直しの顛末」
日本は現在、急速な少子高齢化社会を迎え、このまま何の対策も立てないと、近い将来、大変な状況になることは誰がみても明らかです。特に「少子化」の問題は今後の将来の日本を考える上で、非常に重要な問題であります。
その対策として、「高校授業料無償化」や「学校給食の無償化」、「児童手当の所得制限撤廃」といった政策が論議され、実際に一部、実行に移されている政策もあります。
とはいってもこれらの政策を推し進めるには財源が必要で、その財源の捻出先として訴状に上がったのが、今回の「高額療養費制度の見直し」です。世間や患者団体、野党、そして与党内の一部からも反対の声が上がり、結局今回は「凍結」という結果になりました。
確かに少子化対策に財源が必要な事は理解できますが、見直す項目、間違っていませんか? そう、財源の裏付けもなく、増やす事のみが既成事実として取り扱われている「防衛費」です。
現在、この原稿を書いている段階では来年度予算の審議が佳境を迎えていますが、今回の予算案で突出した伸びを示す防衛費になぜかほとんど論議されていません。
このまま防衛費が増大すれば、これはもはや「自衛隊」ではなく、「軍隊」です。日本が防衛費を増やせば、他国も対抗してくるため、いつまでたっても「平和」にはなりませんし、軍拡競争も終わりません。なぜ見直さないのでしょうか?
これは、与党のみならず野党の方々にも聞いてみたいものです。
(常任理事 今村 洋一)