「 米国(べいこく)と米国(こめぐに) 」
米国(アメリカ)ではドナルド・トランプ大統領の就任早々、国内外でトランプ砲が暴発しています。米国第一主義、米国再興を掲げて、度が過ぎた行動・言動が民主主義の常識の域を超えています。
そもそも米国は民主主義国家のリーダー、世界の警察、移民合衆の国、経済面では〝米国がくしゃみをしたら世界中が風邪をひく〟といった超大国です。しかし、実業家出身ゆえか拝金主義を露呈しています。不均衡関税で損している、種々の世界的機構、機関、協定はカネの無駄だから脱退、同盟国への軍事費負担は米国だけが割を食っている、自分の意に従わない大学には助成金カット、無駄な省庁は廃止しスタッフも即刻解雇と、およそ民主主義国家とは思えない独裁者的暴挙、暴走です。
ウクライナ戦争に関しては自分なら即刻終わらせると豪語しておきながら、ここにきて調停役を降りるかも、と。ウクライナ大統領との会談では「米国に先ずは感謝を、会談時にはフォーマルな服装で、大国ロシアと戦争すべきでなかった、ウ大統領がもっと利口だったら戦争は回避できた」と。TV中継で口論を晒した米国大統領・副大統領は寧ろ自分たちの無品格・無慈悲・無誠実を晒しました。ウ大統領へ世界の同情・敬意は高まったことでしょう。
これまでの巨額支援の回収は鉱物資源で、とは何とさもしいことでしょう。ウクライナは支援は負債とはみなさない、とキッパリ。世界はもとより米国民でさえも同感なのでは? 世界では独裁者的トップが台頭する中、対抗馬にトランプ大統領を選んだ? 米国民の期待も分からないでもないが、さすがに支持率も急降下しています。
米国(日本)では石破茂首相が目下〝令和の米騒動〟と米の関税での内憂外患です。食料自給率が40%前後というのも不思議ですし、米が不足するのなら減反政策も不思議なもので、と単純には考えます。農協との関係やら貿易協定やらでそう単純ではないのでは? ただ、主食の米を投機の対象にしている人は罰当たりです。
そもそも、政治政策そのものが将来を見据えない場当たり的です。例えば医療・福祉政策では、ひと昔前まではもっと味方でしたが、今では低点数で指導も厳しく医療費削減に腐心しています。医師・歯科医師数で言えば、少ないと感じたら大学の数を一気に増やしたり、余剰気味と感じたら国試を難しくして調整? するとか、です。特に歯科界では昨今深刻な問題になっています。もっと長期的スパンで振幅を小さくしてもらいたいものです。
とはいえ、今の米国(こめぐに)の政治は他国よりは農耕民族の国民性で? 穏やかです。米国(べいこく)との関税交渉では米国(こめぐに)が勇気あるトップバッターとなり、米国(こめぐに)が〝モルモット〟 になったとも揶揄されています。米国(こめぐに)が米国(べいこく)と果敢に毅然と闘う姿のモルモットになって欲しいものです。
(監事 上松 誠八郎)