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わたしたちの主張
平成23年12月15日
混合診療の禁止は適法
  
 混合診療の禁止は適法保険診療と自由診療を併用する「混合診療」を原則禁止している国の政策が適法かどうかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷は10月25日、「医療の質の確保や、財源面の制約などを考えると政策は適法」との初判断を示した。その上で、混合診療への保険適用を求めた原告側の請求を棄却した2審判決を支持し、原告側の上告を棄却し、原告側の敗訴が確定した。
 健康保険法は、先進医療の多くを保険対象外と規定するが、国が将来的な保険適用を見込んで定める「評価医療」等については特例的に全額自己負担としない「保険外併用療養費制度」が適用される。しかるに、混合診療を禁じる明文規定はなく、こうした厚生労働省の解釈・運用の妥当性が主な争点になった。
 最高裁は、「保険外併用療養費制度は、保険医療の安全性や有効性の確保、患者の不当な負担防止を図るもので、混合診療禁止の原則が前提。混合診療を全額負担とする解釈は、健康保険法全体の整合性の観点から相当」と結論づけた。妥当な判断だと思った。
 身近な例では、かつて小生らが行っていた、食道静脈瘤に対する硬化療法や肝細胞癌に対する99%純エタノール局注療法(PEIT)や、RFAもこれに相当すると考えられる。
 確かに混合診療に対する要望は切実なものがある。特に、末期癌患者さんやその家族にとっては他の先進国では普通に使用されているのになぜ自由に使用できないのか。わらにでもすがる思いだろう。しかし、いったん解禁されると、今後、先進医療の多くが「国にはお金がない」等の理由で、保険医療の対象外となり、お金のある人のみが医療の恩恵に授かるようになり、世界に冠たる日本の保険制度の崩壊を招く恐れがないであろうか。また、医学の進歩が特定の施設にのみに集中して、治療の普及が遅れるのではないかという心配がある。「待てば海路の日和あり」時期は少々遅れても、いずれは保険適用になるものも多く、それも一つの手か?
 しかし最近、TPP加入の是非が問題となっている。仮に是となると、外資や株式会社、保険会社が医療を食いものにしないか。混合診療がなし崩しに認められてしまう恐れが十分にある。いずれにせよ、混合診療を容認することはできない。歯科では自費診療の割合が高いですが、歯科の先生はどうお考えでしょうか。
(常任理事 古賀 聖祥)

 

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