「もうノーサイドにしましょう」「どじょうがさ、金魚のまねすることねんだよなぁ」「サッカーで言うなら、ミッドフィールダーになってほしい。全体を見回し、戦略的にパスを回せる集団が必要だ」
野田佳彦新総理が発した発言は早くも年末の流行語大賞にノミネートされそうだ。これらの言葉から新総理の未来を考えてみたい。
「ノーサイドにしましょう」これは試合中にどんなに激しく戦っても試合終了後は一緒に戦った同士、仲間であるというラグビーでよく耳にする言葉だ。日本人は対立よりも協調性や調和を好む人が多いから、この発言は一般に好感をもって受け止められているようだ。自・公との大連立を模索する野田総理は、単に代表戦が終了した民主党議員にのみではなく、自民、公明の各議員に向けての意味合いも強かったのではと思われる。消費税増税、復興税構想、税と社会保障の一体改革、マニフェストの推進など各政党、既得権益を得ている有権者、社会的に弱者と呼ばれる人々…各者の意見はさまざまで「みんな丸く収まりました。はいノーサイド」などという事はまず不可能である。ねじれ国会も解消されないままどんな舵取りをするのかお手並み拝見である。
そこで次に出てきたのがサッカーのミッドフィールダーの発言である。多くの問題を抱える今の日本で国民が一番に望むのは東日本大震災の復興であろう。復興のための財源、終わりの見えない原発事故など立ちはだかる大きな壁はあるが、国民が真に求めるのは「俺が国民を守るんだ」という真のリーダーではなかろうか。どんなにいいパスをつないでもゴールが決まらなければ試合には勝てない。サッカーの世界では強豪国には必ず「最後はこいつに任せておけば」というエースストライカーが存在する。確かに試合を作るのはパスを回すミッドフィールダーではあるが、試合を決めるのはエースストライカーである。どんなにすばらしい政策が浮上してもそれを実行するリーダーがいなければそれは実現しないのである。新総理にはそういう意味での真のリーダーなってもらいたい。石原都知事はなでしこジャパンの澤選手に総理大臣になりなさいと言っていたことを思い出した。もう一度「国民が大事」に立ち返ってリーダーシップを発揮してもらいたい。ところが…目指すのが「どじょう」とは…。
(がんばれ!なでしこジャパン!!)