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わたしたちの主張
平成22年2月15日

 診療報酬改定

 

 政府は二〇〇九年十二月二十三日、二〇一〇年度予算編成で、深刻な医師不足の解消など「医療再生」のため、診療報酬全体の改定率を〇・一九%増とすることを決めた。全体で増額となるのは十年ぶりである。十年ぶりに引き上げられたことは我々の運動の成果でもあると考えるが、医療崩壊を食い止める額とはいえないであろう。

 今回歯科の改定率は医科を上回る二・〇九%(六百億円弱)と異例の増額だが、歯科医療が充実する額ではなかろう。今の情勢では、患者の負担率が変わらず、診療報酬が上がれば、患者の負担金は増えることになる。ますます受診抑制にならないかと心配になる。

 診療報酬改定をめぐっては、物価や賃金の下落を背景に財務省が全体で三%程度の引き下げを要求していたが、長妻昭厚生労働相と藤井裕久財務相が財務省で最終調整し、合意している。政府により決められた改定率により、中央社会保険医療協議会(中医協)の場で具体的な点数配分の議論が行われる。歯科において考えれば、タイムスタディを基に診療報酬を改定するのであれば、大幅な増額が見込めるはずだが、診療報酬は改定率が決まり、点数配分を行うために我々が思うようにはならないのが現実である。今後の運動として、患者の窓口負担軽減と医療費総枠拡大の両方を柱として国民と一体となった医療改善運動が必要である。単なる診療報酬のアップの要求ではなく、医療従事者の労働の対価が正当に評価されるような診療報酬改善運動をしなければならないだろう。

 今の診療報酬の改定のやり方に医療崩壊を加速させる問題があるのではなかろうか。政府が財政により医療費総枠を決めるのは、我々医療従事者の医療崩壊現場からの声は反映され難い。政権も変わり半年が経過しようとしているが、自民党政権の政治とは変わってきていると思うが、さらに国民のための政治が行われることを願うばかりである。今後も医療向上を目指し、保団連・協会活動への一層の協力を皆でしていこうではないか。

(レセプト)

 

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