「一旦立ち止まった方がよいのでは」
先日、東京に住む友人に用事があり、LINEでやり取りをしました。時間にして3分、料金は0円です。とても便利な時代になりました。
また、ある日、家族旅行を満喫していた連休の朝6時に緊急でもない仕事のLINEが来て、同じく3分程度のやり取りをして解決しました。料金はもちろん0円です。勘弁して欲しいな、と思いました。
現代の社会は何事もスピードが上がり過ぎて、子どもも含め、多くの人がストレス過多になっていると言われています。
前述のLINEのやり取りにしても、江戸時代であれば、東京から大阪に手紙を1通送るのに、通常便で片道2週間、特別な飛脚便で昼夜問わず走ってもらっても3日はかかったそうです。その利便性を高めるために、郵便制度ができたのが明治時代、無線電話ができたのが大正時代、そして1970年代には電子メールが使われるようになりました。
しかし、これほど何もかもが手軽でスピーディーになった令和の時代においても、ビジネスの世界では「即レスしない人は仕事ができない」などと、常にトップスピードを求められる状況にあります。
私自身も、普段からクラウドを活用して移動中や出先でも仕事をしたり、風呂場でe-ラーニングを流したりと、空き時間を活用し過ぎる癖がついてしまい、「ただ何もせずにいる」時間があるとそわそわしてしまいます。ですが、そうやって早め早めに仕事をこなしても、舞い込んでくる仕事は減るどころか、ますます詰め込まれてしまうのが現実です。私もすでにある種の現代病に犯されてしまっている1人でしょう。
そんな時に目にしたのが、8月に中国で行われた「世界人型ロボットスポーツ大会」です。
「陸上100メートル決勝」では、人型ロボットがついにウサイン・ボルト超えの8秒64というタイムを叩き出したものの、直後に転倒、炎上して担架で運ばれてしまいました。
振り返って、ひたすらスピードと利便性を追い求めてここまで駆け上がってきた技術、その恩恵は莫大であり、私たちの医療の分野でも言わずもがなです。おそらく中国のロボットも来年にはさらなる改良により壊れずに完走することでしょう。
しかし、一方で生身の人類はこの進歩のスピードについて行けているのでしょうか? 心身に蓄積され、病むほどのストレスを抱えるまでに至った副作用は、いよいよあのロボットランナーのように限界を迎えるのではないか、ロボットと違い、取り返しがつかない事態に陥るのではないか、と怖くもなります。
そんなことを考えて何気なく相談した相手からは「昔みたいに、営業の合間に喫茶店でコーヒータイムを取るぐらいがいいのかもね」という答えをもらえたので、私も少し立ち止まって、「できるけどあえてしない」時間を作ろうと心がけることにしました。はい、相談相手はもちろん最先端の「チャッピー」です。
(理事 古庄 龍央)