「言葉ンことば書いてみたとよ~方言」
灯火親しむの候となりました。
松尾芭蕉の俳句に秋を詠んだ有名な二句があります。
物言えば 唇寒し
秋の風
秋深き 隣は何を
する人ぞ
そこで私はこの二句を少しもじって
物言えば 心も寒し
秋の風
秋深き そなたは何を
言う人ぞ
*医科二題(つい最近)
腎臓専門医:腎機能が少し低下の70歳代男性の紹介患者に開口一番「あんたは何歳まで生きたいの?」 と。腎機能と寿命の関係を意図しての問診だと医者をフォローするも患者の心はすでに寒し。 その後受診せず。
循環器専門医:心筋梗塞のステント手術を受けて5年半経過した70歳代男性患者の基準値内のLDL数値を見て「2桁台に落とさないと死にますよ」 他に言い方はないの? でも患者のための親心?と思えば寒さは少しは和らぐかも。
*歯科二題(ひと昔前)
中年女性患者:「奥歯だけど見える所は金属が目立たないように」
歯科医:「丈夫なのは保険外で、この方法だと〇万円かかります」
患者:「高い! それじゃ歯は治ってもメシが食えん」の台詞。
歯科医の心よりも、患者の台詞が歯科的には寒(さぶ)~。
中年女性患者:「バネの見えない義歯で博多駅周辺では○○万円と聞いたけど、オタクは幾ら?」と電話で。
歯科医:「ウチでは△△万円です」
患者:「じゃあ保険で」 そして後日の義歯装着後、帰り際に「アンタ達ハイシャは給料の安い私達を食いものにして!」と捨て台詞。
これは歯科医にとってもこたえた寒さ。以来、この歯科医は保険外のしくみ(半分は税金、年収に応じて税金の還付あり、 技工代は特別料金)までをも説明することに。
*ワンちゃん二題(この頃)
散歩中のワンちゃんにオヤツをあげるとワンちゃんだけでなく飼い主さんとも友達になります。 ワンちゃんの食物アレルギーにも気を遣っています。
アレルギーに縁のないワンちゃん:「〇〇くんは何でも食べられるもんねえ」と言ったら飼い主さん曰く「〇〇ちゃん、失礼よねー」。 何でも見境なく食べるワンちゃんと解釈されました。 褒めたつもりが…と寒さと反省の念を覚えました。
オヤツに縁のないワンちゃん:知人の散歩に同伴するワンちゃんを喜ばせようとオヤツをあげだしたら尻尾を振って寄ってくるようになりました。 3回目の朝、知人曰く 「もうやらンでください、癖になりますから。こいつ、蝉なんかを食っています」 と。 それまでワンちゃんの喜びは飼い主の喜びと決めつけていたので、はっきり言う知人に寒さを覚えました。
言葉は放った自分のみならず放たれた相手をも同時に寒くしてしまいます。
言葉はパワハラ、 ドクハラに敏感に関わってきますので特に注意を払うべきでしょう。
言葉を滑らせたばかりに選挙に滑った議員さんもいます。
言葉は人生や人間関係を良くも悪くも一瞬に変える力を持っています。
言葉とは“ 言 ”の“ 葉っぱ ”と書きます。 一度落ちてしまった“ 葉っぱ ”は二度と木にくっ付けることはできません。
(監事 上松 誠八郎)