HOME » 協会新聞 » 2026年8月号 わたしの主張

「マンジャロ問題を考える」

 「痩せたい」、人は誰でもそう思うし、それが簡単でない事も分かっている。
 一般的には、食事療法や運動療法で痩せようとするのだが、なかなか痩せない。そして多くの場合、諦めてしまう。テレビを見れば、「これを飲んだらこんなに痩せました」とか、「この運動器具を使ったら、こんなに痩せました」といったCMが、次々と流れてくる。私たちの楽して痩せたいという心のスキマをついて。そして試してみる。お金が飛んで行く。効果が出ない。そんなうまい話はない。
 そう思っていた時、糖尿病の治療薬として、マンジャロが発売された。糖尿病の専門医である私も患者さんに使ってみると確かに効果がある。適応さえ間違わなければ、とても良いお薬だ。ところが、このお薬、適応外の患者さんにも自由診療として処方されて今、大問題になっている。
 いくら自由診療でも、薬剤と適応のない人にまで処方して良い物だろうか? ちまたではインターネットの普及により、若い女性で肥満でもない多くの人に使われていることが分かっている。若い女性であるため、無月経などの副作用も報告されている。
 現在は、この処方を止めることはできず、対応に苦慮しているのが実際である。
 ただし、自由診療でも医師の処方が必要である事は、間違いなく、今は医師の良心に頼らなければならない状況だ。厚労省や学会などがいくら警告しても処方が止まらない現在、処方を制限せざるを得ないのではないか。特に若い女性が、副作用で苦しんでいる現実を考えると、早急な対応が望まれる。
(常任理事 今村 洋一)

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